12.09.2010

Tips for taking California Bar Exam: Part III

引き続き、カリフォルニア州の司法試験(California Bar Examination)の受験体験記です。

今回は、どのような勉強方法を採ったかという点です。

A. Bar Briの授業について
Calのバーブリの講義は、MBE科目についてはNYバー用として出回っているノートの内容とほぼ同じです。なので、そのノートがある場合には、人によっては出席する必要はないかもしれません。
ただ、Non MBE科目とEvidenceについては、そこで入手する情報が重要なので、出席するのが有益かと思います。
私の場合は、Essay workshopというのが4回あるのですが、そのうちの真中2回は出ませんでしたが、それ以外は出ました。私の場合は、ノートに書いてあることを、ただ読むだけで全て理解できないと思ったことと、どの辺が重要なのかを講義でつかむため、ほとんど出席しました。
なお、PMBRは、模試は受けましたが解説講義は出ませんでした。時間がないのが主な理由ですが、詳細な解説本をくれるので、それを見れば不明なことはないと思います。

B. ノートについて、
MBE科目については、NYのノートを使いました。基本的に、コモンローの部分はNYのものといっしょなので、僕はNYのものを使っていました(NYのノートのNY Law部分を削れば、CalBar用のノートになります)。あと、科目によってはBarbriのMini(Conviser) reviewを使っていました。
巷で出回っているノートはバーブリの講義を忠実に再現したものです。Mini Reviewよりもさらに情報量が少ないですが、講義録に沿っておりMiniよりも流れがあるような気がしました。反対にMiniをベースにすると、問題を解いた後、知らないルールに直面しても、Miniのどこかに書いてあるということが多かったです(ノートベースだと、結構書き込みが多くなりました。)。ちなみに、私は、Crim Law/Crim Pro, EvidenceはMiniを使用し、他の科目は巷のノートを使用しました。どちらを使うかは、好みによると思います。
ただし、Bigといわれるバーブリのテキストは、情報量が多すぎて混乱を招くだけなので使わない方がいい、というのが日本人受験生(NYも含めて)の間でのコンセンサスになっているようです。

C.MBE対策について
一言で言うと、問題演習をひたすら解くことです。どれだけ、問題を解くかは、結構個人差があるみたいです。私の場合、合計で解いた問題は、PMBR6日間コースの50問×6と、(解いた順(つまり優先した順)に)Introductory 各17問、Intermediate各77問、赤本200問(ただし、刑法は160問(か180問)プラス刑訴が60問)、青本(科目によってばらつきがありますが、平均すると)半分くらい(苦手な科目を優先して解いたため。)、Advanced数十問程度(うわさどおり細かすぎることを確認する程度)、それにMixed100問程度、MBE模試、PMBR模試各200問、オンラインの実際の去年の問題100問です。
この問題集の区分けについては、現在呼称が変更されているようですが、中身はほぼ一緒(問題数は少し違うようですが)のようです。
ただ、Intermediateと赤本、MBE模試、PMBR模試については、間違った問題(ただし、単純な形式ミスが原因のものを除く)については、もう1回解きました。これは、MBE模試の後から始めました。まだ青本やAdvancedの問題集に解いていない問題もあり、解いていない問題と2回目をやるかどちらにするか迷いましたが、結局間違った問題の2回目を解くことにしました。どの科目のどのエリアで間違いが多いかとか、どのエリアがまだ理解不足なのかを知ることができ、これを補えたので、私の場合は、2回目をやって正解だったと思います。これは、1回目を解いた際にどれだけ、正確に間違えた問題を理解するかの問題で、確実にできる方であれば、2回目を解くのは時間の無駄でしかないと思います。
また、青本は科目のエリアごとに問題が配置されています(赤本は各論点ばらばらに配置されています。)。赤本と難易度は同じように思えました。また、赤本と異なり各肢がなぜ間違いなのかについて、細かく解説がされています。したがって、赤本まで辿り着ける自信があるのであれば、青本から解くことをお勧めします。赤本から解くのが一般的で、この種の試験で他の人がやっていることをやらないのはお勧めしません。

D. Essay対策について
問題は、日本の司法試験の事例問題に似ている気がしました(あるいはやや簡単?)。バーブリが過去問の問題集を用意してくれるので、これをPaced Programに従いながら、答案構成をしたり、実際に書いたり、書いたものを提出して採点を受けたりします。上記問題集のほか、Essay Work Shopが合計4回あり、その中でも上記問題集に入っていない問題をときます。上記講義は、基本的には日本の司法試験予備校の解説の方が、レベルが高いと思いますが、出て全く意味がないということはないと思います。ちなみに私は4回中最初と最後の講義には出席して、真ん中2回の分はレジュメだけ見て終わらせました。
さらに、State Bar of CaliforniaのWeb siteに、2001年頃からの過去問と優秀答案が載っています。私は、これについても数年分解きました(ただ、優秀答案は余りに優秀で、自分の答案や構成と比較して落ち込まないことが重要かと思います。。。)。
なお、日本の司法試験の違いとしては、こちらのBar Examは絶対評価なので、「人とどうやって差をつけるか」という思考方法は不要で、「いかに人と同じことを書くか」という視点が重要だと思います(いくらカルバーの合格率が低いとはいえ、CaliforniaのABA CreditのLaw Schoolの卒業生のFirst time takerの75%以上が合格する試験なので。)。また、バーブリのSample Answerを見れば納得いただけるかと思いますが、とにかくたくさんのIssueをあげて(多少Remoteでも)、IRACの形式で結論付けることが大切で、論点間のつながりとか、筋のよさというのは二の次のようです。これは実務に携わっていると、なかなか大変な思考回路ですが、大多数の受験者がLaw Schoolでたてで、Law Schoolの試験ではとにかく論点を挙げまくって、いい点を取ってきた連中が、そのような方式を取るので、そのような形式をまねた方が無難だと思いました。

あと、勉強方法としては、答案構成をしたらすぐSample Answerをみるという方法をとることが多く、1時間時間を計って解くという時間が余り取れませんでした。私が問題を実際に書いたのは、バーブリに提出した4問、バーブリが行う模試6問にプラス自分で時間を計って解いた5,6問だけだったと思います。バーブリの講師は、口をすっぱくして答案構成だけではなく、実際に1時間で書けといいますが、実際に本試験を受けてみて、やはりもう少し実際に書いた方がよかったなと思いました。私の場合、本試験だと、より丁寧に書こうという意識があるのか、時間切れになる問題が多く、時間配分は余りうまくいかなかったと思っています。時間配分のトレーニングのために、できるだけ多くの答案を実際に書くことをお勧めします(ただ、実際には時間との兼ね合いで難しいとは思うのですが。敢えて。。)。

E. Performance Test (PT)対策について
これはPaced Programで指定されている問題以外はやりませんでした。答案構成だけでも、1時間半程度かかり、これには余り時間を割く余裕がありませんでした。
PTは法律を知らなくてもRuleが与えられているので、できるというのが建前ですが、実際に出る問題は、既存のRuleの枠組みはそのままで、要件が少し変わっているとか、その程度の違いしかないように感じました。また、いきなり破産法やら知財の問題が出るわけではなく、試験科目の中から出ます。したがって、Essayの勉強をすれば、PTの問題にも対処しやすくなると思います。

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