9.26.2010

442 -Live with Honor, Die with Dignity-

先日、大学の同窓会の主催で、上記のタイトルの映画(邦題:「442日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍」)の鑑賞会が開かれ、観に行ってきましたので、ご紹介します。
第2次世界大戦中の第442部隊の目覚ましい活躍については、こちらをご覧下さい。

同映画を制作されたすずきじゅんいち監督もいらして下さり、この映画を制作した目的、撮影の裏話等のお話を聞け、大変貴重な機会でした。

この映画は、アメリカに住む日系アメリカ人の話ですが、是非、日本に住んでいる日本人の方に観て頂きたい作品だと感じました。監督も同じことを言っておられました。
日本にいると意識することがほとんどないと思いますが、この映画を通じて、日本人であることとは何かということを強く問いかけられます。また、当時の日系アメリカ人が、アメリカ人であることを否定され、自己のアイデンティティの拠り所を失うことがどれだけ辛いことかということも強く訴えかけられます。
日本に住んでいては、通常感じることの出来ない感覚を体感することが出来る映画だと思います。

私は、子供の頃4年半程ロンドンにいましたが、当時も、言葉も習慣も考え方も異なる人たちに囲まれ、日本人であることを否が応でも強く意識させられました。ただ、帰国後は、まだ成長しきっていなかったというのもあるかもしれませんが、そのような意識は霧散してしまいました。しかし、今またアメリカに滞在していると、アイデンティティという概念がいかに重要なのかというのを、強く意識させられる日々です。特に、自分の子供たちは、今のところ人生の大部分をアメリカで暮らしています。彼らは自分のアイデンティティをどこに求めるのかということを考えだすと、悩みは尽きません。

今後どんどんグローバル化するといわれている世界の中では、自分のアイデンティティをどこに求めるのかというのは、益々重要になってくるのではないかと思われます。
このようなことをつらつらと考えるいい機会を与えてくれた映画でした。

Dealing with Private Equity Funds

米国のPEファンドの現況及びPEファンドを相手方とするM&A取引における留意点について概観します。

今後PEファンドがポートフォリオ会社を売却するという機会が増えてくると思われます。日本の企業にとっては、米国での事業展開を考える上で、かかる会社を取得するというのはひとつの選択肢になるかと思われます。

I. 米国におけるPEファンドの現況

Limited Partners (Silent Investorsとも呼ばれる。)
  • 主に、Pension funds (e.g. CALPERS), insurance companies, university endowments (e.g. Harvard Endowment Fund), and major charitable organizations, and some high net worth individualsがLPとして出資を行う。特に、最近増えているのが、中国や中東のSovereigns。世界のSevereignsが保有している資産総額は、USD 30.7T。当然のことながら、彼らにアプローチをするローファームも多いようです。
  • 投資期間は、主に7~10年程度。
  • UBTI (Unrelated business taxable income), VCOC (Venture Capital Operating Company)として認められ、非課税となるよう仕組むのが一般的。
PE Fund Management
  • GPが受け取るFeeとしては、2% Management Fee又は20% Carried Interest (Partnershipから生じる利益の内初期投資額を除いたもの)が通常。
  • 業界全体で約USD 1.0 trillionもの資金(Dry Powder)が眠っていると言われている。
  • LPの投資期間が7~10年で、過去2年間の異常事態により、ポートフォリオの売買ができなかったことから、今後ポートフォリオ会社の売却が増えることが予想される。
Leverage/Financing Acquisitions
  • 歴史的には30%程度がEquity Investment、それがバブル時に10%になり、現在は50%又はそれ以上つまなくてはいけない状態が続いている。
  • さらに、LOIのfinancing conditionsの記載方法が厳しくなってきている(留保事項が多い。)。
II. PEファンドとのM&A取引の際の留意事項
1.PEファンドからポートフォリオ会社を購入する場合
  • 売却先としてはStrategic BuyerとFinancial Buyer(また別のPEファンド等)の二通りが考えられますが、Strategic Buyerの方が通常シナジー効果をみて、高値でbidしてくることが多いので、PEファンドからすると、Strategic Buyerに売却したいと考える場合が多い。
  • Purchase Agreementを作成し、交渉する際に留意するべきなのは、Indemnity Clauseです。もちろん、通常のM&Aにおける重要性は否定しませんが、PEファンドから購入する場合には、売却後、同ファンドは売却金をLPに償還するのが通常です。いくらIndemnity clauseで売主の補償義務を規定していても、償還当時、実際当該条項が適用される事象が発生ししていなかったり、発生していたとしてもそのことをファンドが知らなければ、かかる償還は有効となってしまい(例えば、California Corporation Code Sec. 15905.09. Delaware Code Chapter 6. § 15-309)、Indemnity Clauseが有名無実化してしまう可能性があります。
  • この点に、対応するために有効なのが、escrowです(通常、2.5%~20%程度)。さらに、特定の事項(環境や係属している訴訟など)やworking capitalだけのために別途escrowを設けることもあります。
  • その他、保険をかけることもありますが、保険料(premium)が高いことから一般的ではありませんが、特定の事項(Product LiabilityやEnvironmental Conditions)を対象とするのであれば、有益である場合もあります。
2.PEファンドへ子会社等を売却する場合
  • 上記で触れたように、LOIのfinancing conditionsの記載方法が厳しくなっているのは、PEファンドがfinanceをつけるのが難しくなって来ていることの現れのようです。
  • 銀行とのterm sheetsを見せてもらう、当該ファンドまたはSponsorの銀行とのtrack recordのチェックということが考えられますが、それ以上に、このようなfinancing arrangementは、特にこのご時勢、状勢がすぐ変わるようで、これだけではあまり意味がない場合も多いようです。
  • 今のところ、最も強力な手段は、reverse break up feeを設定すること。一般的な相場としては、1%から3%ですが、既存のビジネスに多大な影響があるとか、経営陣,従業員の地位が不安定になる恐れが大きいとか主張して、もっと大きい額を勝ち取れるよう交渉して行くのが得策のようです。
  • LPからもcommitment letterを取得すること(が、リーマンショック以降これに応じるLPは少ないとのこと。)も考えられます。
  • PEファンドは、通常non-compete agreementsを締結したがらないが、限定した事項であれば締結に応じる場合もあるようです。

9.06.2010

Malibu Creek State Park

引き続き、休日の過ごし方のご紹介。

本日は、Malibu Creek State Parkに、hikingに行ってきました。
同公園にMain Parkingがあるのですが、我々は、公園の反対側の
Agoura Hills市のCrags Rd. & Lookout Dr.に車を停め、出発しました。


道は、ずっとこのような感じで、小さな子供でも歩けますし、我々はStroller(Bugaboo)も押して行けました。但し、大きな砂利のあるところもあるので、車輪の小さなStrollerだと少し苦労するかもしれません。


あと、サイクリングをしている人もいました。平坦な道なので、これもかなり気持ち良さそうでした。


平坦な道ではあるのですが、今日の気候(快晴)もあり、日なたは、くらくらするくらいの直射日光が照りつけていたのですが、

このような木陰の道に入ると、風が冷たく、かなり快適でした。

















20分くらいでM*A*S*H Site(テレビプログラムM*A*S*Hの撮影場所)に到着します。大人だけであれば、本当にすぐだと思います。


ここに、ピクニックテーブルがあり、持って来たお弁当(Turkey Sandwichではなく、おにぎりと卵焼き等和食!)を食べ、休憩をした後、引き返し、途中、Malibu Lakeの方に寄り道をして、元の場所に戻りました。

家から40分くらいの場所にこのような自然溢れた場所があるのは、本当に貴重なことだと思うので、また来たいと思っています。

なお、ここに来る途中には、海を臨めるPacific Coast Hwy、断崖の脇を通るMalibu Canyon Roadと景色がいい道が続くので、ドライブに来るだけでも楽しめると思います。また、上記二つの道が交差する場所にあるPepperdine Universityの中も素晴らしい景色が広がっています(すみません、適当な写真がありません。冬休みの間でなければ、同大学に関係のない人でも立ち入り自由です。)

9.05.2010

Circus Vargas

本ブログの本筋ではありませんが、アメリカ文化のご紹介として。

この週末はLabor Day Weekendでアメリカでは3連休になるところがほとんどです。このLong Weekendを利用して、家族と一緒にサーカスを観に行ってきました。


Cirque du Soleil等のような洗練されたサーカスとは対極に位置するような、昔ながらのサーカスでしたが(空中ブランコとか、ピエロがコメディやったりとか。)、子供たちも含めかなり楽しめました。
びっくりしたのは、空中でのショーも命綱つけずにやりますし(普通サーカスってそうですかね?)、比較的小さなテントで間近で彼らの演技を観れるので、演技を純粋に楽しむというより、失敗して事故が起きないかというスリルを楽しんでいるというのが正直な感想かもしれません。もちろん、どのパフォーマーも完璧に演技していましたが。

特に、8歳の男の子が、バイクを小さい鉄の籠の中でぐるぐる回りながら乗り回すパフォーマンスは、2児の父としては、恐くて観ていられませんでした。。。。

因みに、右の女性もバイクで籠の中をぐるぐる回ります。しかも左の男性の乗っているバイクと同時に。。




ショーの最初にアメリカ国家を斉唱したり、ピエロのコメディも観客参加型で、選ばれた人たちも堂々と演技していたり、巨大な容器に入っているポップコーンを家族みんなで食べたり、観客も大盛り上がりで、アメリカナイズされた(といっても、半分くらいの観客はメキシコ系でした。)休日の過ごし方でした。

常にロサンゼルスで催行しているわけではないようですが、機会があればお勧めします。

9.03.2010

Directors' Unanimous Consent v. Minutes of Board of Directors

USのCorporationにおいて(少なくともCalifornia州とDelaware州において)、取締役会にて決議を行う場合、Directors' Unanimous Consentを取得する場合(Cal Corp. Code 307(b)、Del Corp Law 141(f) )と実際にBoard of Directors Meetingを開く場合の二通りがあります。

Directors' Unanimous Consentの場合は、実際に集まらなくてもいい反面、全員からConsentにサインをもらう必要があります。但しこのサインはファックスやPDFでもらうことで足ります。

Meetingを実際に開く場合には、議事録にはSecretaryのみがサインすればよいので、実際に開くのはスケジュール調整等大変ですが(ちなみに、一つの場所に集まる必要はなく、電話やビデオカンファレンスで参加することも可能です。)、記録を残す段階ではConsentより負担は少ないと言えます。

議論が必要であるか、どれだけサインがもらいやすいかによりどちらの方法を採るべきかを決める必要があると思われます。

因みに、日本ではどうかというと、Consentに相当するのは取締役会の書面決議かと思いますが、これは予め定款の定めが必要となります(会社法370条)。なお、実際の取締役会を開催した場合にも出席者全員の署名(記名捺印)が必要なので(会社法369条3項)、どちらの方法を採るにせよ、署名を集める手間があることになります。なお、日本では電磁的記録による方法で取締役会議事録を作成することも出来ますが、電子署名が必要となります(この点、PDF等で済むUSの運用とは異なりますね。民訴法の問題ですかね。)。この方法はまだあまり普及していないという理解です。