3.16.2010

Increase Antitrust Enforcement and Litigation

最近(といっても昨年末)のAntitrust Enforcementに関する所内のセミナーの概要です。

I. 企業のフロントオフィスの方に是非守っていただきたいこと。
・競合他社と、"値段"に関しては絶対に話し合ってはいけない。
・競合他社と、値段以外のことに関して話し合うときも、法務部や弁護士に相談すること。
・顧客、販売店、サプライヤーとの取引を終了させ、また、取引を拒否するときは、法務部や弁護士に相談すること。
・Document retention and destruction policies (文書管理規程)を十分理解し、遵守すること。

II. 最近の刑事犯摘発動向
ここ数年で罰金の額が急増している点に留意する必要があります。また、米国では、当然のように個人も勾留され、実刑判決を下される点にも留意する必要があると思います。

III. Merger Enforcment
FTC(アメリカの公正取引委員会)は、Merger dealが成立した後、1〜3年を経過した後にでも、当該dealの当否について調査を開始したり、場合によっては当該dealの無効を裁判所に訴えることがあります。最近かかる件数が増加傾向にあることに留意が必要です。これらのケースは、HSRの届出(事前の届出)をしており、それに対してWaiting Period中には特にFTCがActionを起こしていない場合にもおこっています。従って、各ディールの際に、かかる事態を想定した契約条項を盛り込む必要があります。

IV. 気をつけるべき産業
また、昨年就任したAAG Varney(Antitrustを所轄する官庁のトップ)は、Agriculture, Telecom, Newspapers, Financial Industries, Health Care, and Technologyを、今後注視する分野であると発言している点にも留意する必要があります。

V. 最近のSupreme Courtの判決
Texaco Inc. v. Dagher (2006) - Joint Ventureの参加者間の価格設定が、"agreement among competitors"には当たらないとされた事例。

Illinois Tool Works Inc. v. Independent Ink, Inc. (2006) - 特許があるからという事情のみをもって、market powerがあるとはみなされないこと、Tying Arrangementsが、Rule of Reasonによって考慮される事を判示した事例。

Bell Atlantic Corp. v. Twombly(2007) - Antitrust consipiracyの主張は、plausible(Injury, Market definitionの双方に関して。いい訳が思い浮かびませんが、「信憑性のある」)でなければならないと判示した事例。Plausibleであるといえるためには、consipiracyを推認させる事実の摘示を行うことを原告に要求しています。これにより、訴訟の初期段階で事実の整理ができ、企業側の大規模なDiscoveryの負担がかなり軽減されたようです。

Leegin Creative Leather Products v. PSKS, Inc. (2007) - Resale Price MaintenanceがRule of Reasonによって考慮される事を判示した事例。ただし、州によっては、まだPer se illegalの枠組みで判断されることに注意が必要です。

V. Per se illegal v. Rule of Reasonに関するまとめ。

A. Per se illegal for Competitorsと判断される類型が、
・Price Fixing
・Bid Rigging
・Customer Allocation
・Market/Territory Allocation
・Agreed Limitations on Output/Production
・Group Boycotts

B. Rule of Reasonの中で判断される類型が、
・Exclusive Territories or Customers
・Exclusivity Dealing Arrangements
・Tying, Loyalty Discounts or Bundling Arrangements
・Resale Price Maintenance
・Refusals to Deal / Dealer Termination

と分別されます。

VI. American Needle case
さらに、American Needleに関する解説もありました。これは、NFLのライセンシングに関わる事例で、耳目を集める事件なのですが、あまり自分のプラクティスや日系企業の法務とは関係がないので(NFLの団体の法的性質が論点になっていたりして)、割愛させていただきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿